
この両チームの対決を「大阪ダービー」と呼び、大阪の名を賭して両チームのサポーターをも巻き込み、激しい戦いが繰り広げられている。
通算成績ではガンバが勝ち越しているものの、今年5月には両チームが参加していたAFCアジア・チャンピォンズリーグのノックアウトステージに於いて、(組み合わせの結果)まさかの対峙。試合は両者一歩も譲らぬ壮絶な展開となったが、セレッソ大阪20番MF高橋大輔選手の劇的な決勝ゴールで、セレッソが歴史的一戦の勝利を収めている。
そんな事情もあり、盛り上がらずにはいられない今回の一戦。舞台はセレッソのホーム大阪長居スタジアム。
キックオフ1時間前には会場入りしていたものの、席に着いた途端周囲もどんどん人が増えていき、皆の期待がうかがえる。向かいに見えるアウエィ席も、青と黒(ガンバのチームカラー)の巨大な雲となっている。
この日、最初の勝負はキックオフ前から始まった。
ゲストとして大阪プロレスの選手達がセレッソの応援に駆けつけてくれていたのだが、レスラーの一人、ブラックバファロー選手(ヒールとして有名)がこんなマイクパフォーマンスを...
「ガンバ大阪ぁ!?知らねぇな〜??w」
会場大爆笑&大歓声。アウエィ側ゴール裏からは「帰れ!」コールが巻き起こる始末。セレッソ側ゴール裏からはすかさず「知らねーな!」コールが。
拍手とブーイングの入り交じる中を大阪プロレスの面々が退場すると、場内の空気も戦闘モードへと徐々に切り替わって行く。
19時03分、いよいよキックオフ。
試合は前回の対戦を思わせる様な、両者譲らず互角の展開となる。
均衡が崩れたのは76分。ペナルティエリア前付近の攻防から、セレッソMFキム・ボギョン選手が振り抜いたシュートが、にゴールに突き刺さる。遂に先制点が生まれた。
大歓声と熱狂に包まれるスタジアム。残り時間も少なかった事から、試合はこのままセレッソの勝利で終わるかに見えた。
ところが直後の79分。今度は反対サイドのゴール前の混戦から、詰めていたガンバのDF中澤聡太選手が、意地のヘッドで試合を振り出しに戻す。
その後も幾つかの期待と落胆が生まれるも、試合はそのまま終了。1-1の引き分けとなった。
しかし、勝負として「引き分け」というものが存在しないのがダービー。
両チームともサポーターたちは、試合後観客席に挨拶にやってきた選手たちに容赦なくブーイングを浴びせた。
選手たちも結果を受け止めていてくれたようで、挨拶後、スクリーンに映し出されたセレッソ清武選手の、苦笑いのような落胆の表情が印象的だった。
かつて、この大阪ダービーでは白熱するあまり、悲しい事故が起こった事もある。
それ以来、過度な挑発行為は両チーム間で自粛となり、やがて公にはタブー化されていき、近年では協会の過剰反応による不当な処分が科せられたりもしていた。
しかし、Jリーグはプロスポーツであり、サッカーが暴力の代替行為などでは無い事は明らかである。それをわきまえていない人間など、本当にごく一部でしかない。
その点で今回の大阪ダービーは先のコール合戦等も含め、お互いのチームのサポーターが、サッカーの楽しみ方をわきまえたダービーらしいものだったと思う。
選手たちからも「ダービーには勝たねばならない」という気迫がひしひしと伝わって来た。それ故に、この日の長居には約3万7千人もの人々が詰めかけたのだろう。
僕自身もこのスタンスを大事にしていきたいし、これからも「同じ大阪同士仲良くやろう」等とはこれっぽちも思わない。僕にとって大阪のチームとは、自分の住む町の、セレッソただひとつだけだ。
「ダービーは特別」この意識はこれから、協会の言う「日本サッカーの発展」に、大きな必要性をもたらすと思う。そういう意味でも大きな意義のある一戦だったと思う。
現在セレッソ大阪は、先にも述べた「AFCチャンピォンズ・リーグ」という、アジアのクラブチームの覇権を賭けた大会を、順調に勝ち進んでいます。(現在ベスト8)次回の対戦はアウエィの韓国での試合ですが、必ず勝ち上がって長居に還って来ると思います。
皆さんも是非一度、長居へ足を運んでみてください。
セレッソ大阪オフィシャルサイト
http://www.cerezo.co.jp/
AFCアジア・チャンピォンズリーグ 2011
http://www.j-league.or.jp/afc/
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