
挙げてしまうとキリが無いが、田中フミヤ氏の「CHAOS」も、その一つである。
現在、大阪のクラブシーンを取り巻く事情により、ほとんどの店が深夜営業を行っていない状態にある。CHAOSのホームベースである鰻谷SUNSUIも、その例外ではなかった。
「だったら朝からやれば良いのでは?」
氏が実際そう思ったのかは定かでは無いが、かくして今回の大阪、SUNSUIでのCHAOSは、7月16日28時57分スタート、田中フミヤ一人によるロングセットでの開催となった。
私は前日ほとんど寝付く事が出来ず、2時間ほどのぼんやりとしたうたた寝から目覚めたのが午前7時頃。
Twitterからは、既に会場の模様がいくつも流れ出していた。遅れてはならんと急いで準備をすませて出発する。
SUNSUIに向かう道中、夏の早朝の澄んだ空気の中で、今からCHAOSへ向かう為に自転車をこいでいると思うと、違和感とともに笑ってしまうようなおかしさがこみ上げて来て、何とも不思議な気分だった。
入り口に堂々と掲げられたフライヤー付きの看板を安心して確認し、いざ店内へ。
いつもなら入ってすぐのラウンジスペースにも、それなりに人は居るのだがほとんどおらず、果たしてフロアはどうなっているのだろうと少し心配になったのだが、そこにはいつもと変わらない、スタートして少し時間の経過したCHAOSの姿があり、田中フミヤの姿があった。
違った事と言えば、この日のフミヤ氏はひたすらテンションが高め。ブース内で激しく体を動かし、グルーヴのきいたテクノトラックを中心としたセットを展開。時刻が昼を回っても、その流れは常にキープされていた。
お客さん達もそれにこたえるかのように激しく踊っている。あの時のフロアの空気は、何とも言いようの無い、朝だからこその奇妙な感覚だった。
結局14時近くまで続いたロングセット。パーティーはその後も引き継がれ、音がやむ事は無かったが、さすがに限界がきて、夕方頃に店を後にした。
冒頭申し上げた通り、現在、大阪のクラブシーンは、本当に厳しい状態に追い込まれている。大好きな遊び場が不本意な営業体系を強いられていたり、遂には閉店してしまう様子を目の当たりにしながら、悲しさと無力さでいっぱいだった。
そんな中でも、こうして田中フミヤ氏とSUNSUIが、パーティーを続ける為の一つの道を示してくれた。
願わくば私も、多くの人々がそう思うように、「CHAOSで朝を迎える」日が還ってきてくれることを望んでいる。
それでも、私はパーティーに遊びに行く事も、好きな音楽で踊る事も諦めたく無い。
あの日、あの場所に居た全ての人々は、それぞれどんな事を感じたのだろうか。
またダンスフロアで、みんなに会いたいと心から思う。
Fumiya Tanaka.com : http://www.fumiyatanaka.com/
鰻谷SUNSUI : http://www.sunsui.net/
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